前向きに死にたい
私は死にたい。
現在大学4年生、内定もある。
受けた就職先の中では第一志望とまではいかなくてもトップクラスに志望していたし、コロナで混乱してる世の中だけど就活もやり切ったと思ってるしそこに不満はない。
でも、死にたい。
漠然と、でも確実に、死にたい。
家族仲も良好。
これは身内贔屓でもなく両親はめちゃくちゃ仲がいい。いわゆる「友達みたいな親」ではないけど好きなことはやらせてくれたし変に過保護でもないし素敵すぎる両親の元に生まれたと思う。
大学も楽しい。
ラグビーサークルは本当にいい人ばかりで、そこでは一生仲良くしたいと思えるような友人とも出会えた。友達の数は多くないけど狭く深くな私からしたら幼馴染とか数人いてくれれば十分だと思う。
バイト先も楽しい。
大学一年の頃からお世話になっててだいぶ古株になって、教える側としてやりがいも感じるしなんの不満もない。
昔からいわゆる「一軍」と言われるようなカースト上位にはいなかったけど、いじめられた経験はないし勉強もそこそこできたし、運動も得意じゃなかったけど部活動で関東大会にまで出た。彼氏ができたことも何度かあった。「成功体験」も多くて青春コンプレックスのようなものもなかった。
趣味も楽しい。
King&Princeは相変わらず好きだし、キラキラしている彼らを見てると元気がもらえる。
なのに死にたい気持ちが消えない。
死んでリセットしたい。
私はなりたいものがある。
それはちょっと特殊な職業で、女性は25歳までが期限と言われるような職で、努力だけじゃなくて才能や運も大事な世界の職だった。
なろうとする人はナン万といるけど本当にそれだけで生活していける人はごくごくわずかだという。
私が志したのは21歳の時だった。
遅すぎた。
小中学生、遅くても高校生から始めなくてはいけないと言われる職だった。
なんでこんなに後悔してるのかというと、中学生のころ学年主任にその職業を薦められたことがあるからだった。
でも私はふつうに高校へ進学し、大学へ進学した。なんの疑いもないまま。そのころはそんな職は頭の中になかったから。
でも今、ものすごくなりたい。
そういう人になりたい。
就活を通して本当にやりたいことが見えてしまった。
だけど私は押し切れるような若さもないし
経験値の高い大人でもない。
この気持ちを誤魔化せるほど子供じゃないし
現実をすぐに見られるほど達観もしてない。
時間を巻き戻せたら中学生の頃に戻って、今すぐ養成所に入れ!!って言うのに。
あー死にたい。
この世に絶望してるわけじゃないのに。
死んで来世の自分に期待したい。
来世の自分は自分じゃないけど、来世ではなりたいものになれる人になってほしい。
前向きに、死にたい。
あくまで前向きに。